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 インタビュー(第一回)

   「総合分析情報学コースについて」

     話:コース長・坂村健教授、聞き手:中尾彰宏准教授

 

まずは、総合分析情報学コース長である坂村健先生に、総合分析情報学コースを受験してみようと興味をもった学生さんに向けて、コースの概要について話してもらいました。

 

中尾:「総合分析情報学コースでは、主にどういうことを学ぶことができるのでしょうか?」

 

坂村コース長:「総合分析情報学コースでは、基本的には、コンピュータサイエンス、情報科学、情報工学といった分野を中心として、様々なことを学ぶことができます。まずは、このコースの名前にあるように、情報を分析するための手法です。つまり、コンピューターサイエンスを用いて、実世界における様々な情報を取得し、更に分析する能力、情報分析を基に社会的利益のために活用する手法です。具体的には、ユビキタスコンピューティングにおける、状況に基づく情報処理技術( Context-Aware Computing)があります。また、インターネットにおけるトポロジー解析、トラフィック解析を基にしたコンピューターネットワーク、ネットワークセキュリティ、オーバーレイネットワークを用いた次世代インターネット基盤についても学ぶことができます。また、こうした情報を分析する技術を我々が住む空間に適用した、空間情報科学といった応用、また医薬品の分野に適用した、医薬品情報の分野を学ぶこともできます。」

prof_sakamura

コース長 坂村教授

 

中尾:「教育面で、他にも何か特徴的なところがありますか?」

坂村コース長:「やはり、今の情報通信技術(ICT)は、ビッグサイエンスになっています。システム自体が本質的大規模であり、複雑度が非常に大きい。単に規模が大きいだけでなく、人間社会と深くかかわっており、システムを設計する上でも、その是非を判断する上でも、社会制度と不可分に考えなければならざるを得なくなってということに着目しています。」

中尾:「それはどういうことでしょうか?」

坂村コース長:「つまり、従来型の理工系にありがちな、狭い特定の分野の専門的技術を極める、いわゆる古い研究者タイプの人材では、こうしたことに十分対応できないと考えています。しかし、現代は、更にその上で、実社会の間の関係を踏まえたうえで、巨大なICTシステムやそれが扱う膨大な情報を熟知し、更にそれを社会活動に役立てることのできる、あたらしいITの専門家像を確立して、育成したいと考えています。」

 

「コンピュータサイエンスの基礎知識さえ修得していれば大丈夫」

中尾:「それは、別に理工系の基礎知識が重要でないというわけではありませんよね?」

坂村コース長:「もちろんです!理工系の基礎知識は極めて重要です。どんな分野でも、自分のベースとなる専門知識はしっかりもっていることが前提です。よく言われる言葉に、「こうもり」ということがあります。鳥でもない、動物でもない、というとこからの比喩で、例えば理工系と文科系の両方の分野を手がけるが、その両方とも一流ではない(笑)。これでは役に立ちません。」

中尾:「入試を受けるときから、そういう多面的な知識を持った学生が望まれているのでしょうか?」

坂村コース長:「いえいえ、そんなことはありません。入学試験では、公開されている過去の問題を見てもらえればわかると思いますが、基本的なコンピュータやネットワーク、電子工学、数学といった基礎知識と、その応用分野の知識を問うものだけです。基本的には、学部生のときには、コンピュータサイエンスやコンピュータネットワークの基礎的な知識をしっかり修得していればよいと考えています。様々な分野を手がけるのは、大学院に入学してからの教育研究の中で行っていけばよいと考えています。コンピュータに関しても、しっかりと基礎を押さえていれば、何も難解なパズルを解けないといけないようなことは望んでいません。そうですね、一言で言えば、いろいろな応用分野に興味を持っていて、コンピュータサイエンスの基礎知識を持っている学生が望まれます。」

 

「過去問を見てもらうのが一番いい」

中尾:入学するにあたって、コンピューターサイエンスや理数工系のバックグラウンド(予備知識)はどの程度必要でしょうか?

坂村コース長:「さっきも言ったように、過去問を見てもらうのが一番いい。入試での出題分野は、募集要項に書かれているように、数学、アルゴリズム、プログラミング言語、アーキテクチャ、OS,ネットワーク、論理回路、応用分野の8分野です。」

「基礎数学は、理系の大学ではどこでも必修で学ぶ内容、例えば、線形代数、解析、微積分などの知識があること。アルゴリズムは、木構造、リストなどの基本データ構造、Bubble Sortや Quick Sortなどの学部レベルの基礎アルゴリズムなど。プログラミング分野では、何かの言語でプログラムを書けること。コンパイラがどのように動作するかなどの知識、コンパイラが書けるとなお良い。アーキテクチャは、ノイマン式のコンピュータの構造、仕組みなどは最低限知っていること。オペレーティングシステムは、基本となる概念、動作原理など。ネットワークは、現在のインターネットを理解する上で必須の概念が説明できること。例えば、TCP/IPとは何か?パケット通信とは何か?など。論理回路では、組み合わせ回路、順序回路、など一通り理解しており、 例えば、Adderなどの回路図が書けるなど。応用分野は、いくつかありますが、今年度は、空間情報系の問題が出題されています。これらは、どれも、学部で普通に講義を受けていれば、十分対応できる知識だと思いますね。」

 

「東大出身者が有利なことはありません!」

坂村コース長:「それに、募集要項で、出題範囲を公表してますし、またその内容を見てもらえば、どこの大学の学生さんでも十分対応できることがわかると思います。よく、東大の大学院だと、東大出身者が有利じゃないかといわれますが、そんなことは全くありません。教員各個人の研究分野や興味と、試験問題とは何の関係もありませんから。」

 

「情報系以外からでも大丈夫!」

中尾:「情報科学・情報工学、電子工学といった分野以外の学科で勉強してきた学生でも大丈夫でしょうか?」

坂村コース長:「大丈夫です。実際に、本コースでは、それ以外の分野の学生も受験して合格しています。やはり、情報分野の大学院ですから、情報分野の知識が全くないのでは困りますが、そこは独学で修得しても十分クリアできると思います。受験する際に、問題はさきほどの8分野から4分野を選択して回答すればよくて、そのうち2分野は応用分野や数学で、情報分野の人でなくても解けます。」

 

「社会人も大丈夫!」

中尾:「社会人でも受験できますか?」

坂村コース長:「もちろん大丈夫です!現に、現在、総合分析情報学コースに所属している学生にも、多くの社会人学生がいます。働きながら学業に勤しんでいます。」

中尾:「最後に、是非こういう人に来て欲しいというのがあれば、お願いします。」

坂村コース長:「とにかく、コンピュータサイエンスの基礎知識をもっていて、更に実社会における情報システムや情報分析、またコンピュータサイエンスを使う様々な分野に幅広い興味を持ってる人。それで、世界的に幅広く、最先端で活躍していきたいと思っているならば、出身大学、出身学部、性別、年齢、国籍など、全く問いません。是非、総合分析情報学コースに入って一緒に楽しく研究をしましょう!!」

中尾:「ありがとうございました。」

 

   
       
   
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